小児矯正
大人の矯正との違い
大人と子供の矯正の一番の違いは、『あごの成長を利用した治療』ができるか否かです。
あごの成長は子供の頃だけのものなので、大人の矯正にはあごの成長を利用した治療ができません。
あごの成長を利用すると、骨格レベルでの治療が可能となります。
例えば、あごの幅が狭いことが原因で歯がガタガタになりそうだとしたら、あごが成長する時期に合わせてあごの幅を広げる治療を行います。
すると、歯が生えるスペースが広くなり、永久歯がガタガタせずに並ぶ可能性が高いです(個人差があります)。
大人になってからの矯正は歯を動かすだけの矯正になるので、歯が生えるスペースが足りない場合は抜歯も検討しなくてはなりません。
また、上下のあごのバランスが悪いことによって起こる受け口(下顎突出)・出っ歯(上顎突出)も、上下のあごのバランスが整うように成長を促すことで骨格から治すことができます。
骨格から矯正することで横顔のバランスも良くなります。
いつ始める?
小児矯正は始める時期と内容によって「Ⅰ期矯正」と「Ⅱ期矯正」に分けられます。
Ⅰ期矯正
Ⅰ期矯正は歯が並ぶ土台となるあごを整える治療です。
あごの成長を利用するため、あごの成長が盛んになる5~11歳頃から始めます。
Ⅱ期矯正
Ⅱ期矯正は永久歯を動かすことで矯正し、咬み合わせ・見た目の美しさを備えた歯並びにする治療です。
永久歯の歯並びを治療するため、永久歯が生えそろう12歳前後から始めます。
お子さんによって矯正が必要な部分や発育の状態が異なります。あごの成長や歯の状態に合わせて最適なタイミングで矯正が開始できるよう、歯並びに関して心配なことがある場合は早めに相談することをおすすめします。
治療の流れ
Ⅰ期矯正
カウンセリングとお子さんのお口の状態を確認した後、大まかな治療内容・費用をご説明します。
治療を前向きにご検討される場合には、検査(レントゲン撮影、口腔内・顔面の写真撮影、歯型とり)を受けていただきます。
検査結果をもとに治療方針を決定し、治療内容・費用・期間などについて詳しくご提案いたします。治療方針にご納得いただければ治療開始です。
治療に使用する装置を作成した後、治療開始となります。治療中は月1回ご来院いただき、あごや口内の状況確認と装置の調整を行います。
良好なあごの状態になったらⅠ期矯正は完了ですが、最終的な目標は永久歯が正しい歯並びになることです。
永久歯が生えそろうまで年1~2回の定期的な観察が必要です。
Ⅱ期矯正
カウンセリングから治療開始まではⅠ期矯正と同様です。治療中は月1回ご来院いただき、口内の状況確認と装置の調整を行います。
Ⅱ期矯正が完了したら、歯並びが元に戻らないようリテーナーを用いて歯を保定させます。保定期間は1年程度で、保定期間中は2~6ヶ月に1回ご来院いただきます。