先天性欠如
先天性欠如とは?原因は?どのぐらいの割合の人がなる?
先天性欠如とは、歯のもととなる歯胚(しはい)が何らかの原因でつくられなかったために生えるべき歯が欠如していることを言います。先天性欠如は乳歯にも永久歯にも起こることですが、乳歯の先天性欠如は稀です。
先天性欠如が起こる原因は明らかになっていません。歯胚は赤ちゃんがお母さんのおなかの中にいる間につくられることから妊娠中の栄養不足・薬の副作用・全身疾患、その他に遺伝などが考えられますが、はっきりとしたことはわかっていません。
日本小児歯科学会が調査したデータでは、10人に1人の割合で永久歯の先天性欠如が起こっています(親知らずを除く)。
そのままにしているとどうなるの?
乳歯をそのままにしていると、30歳代~40歳代でグラグラして抜けてしまいます。
乳歯は永久歯が生えてくるまでの歯ですので、もともと歯質が弱く虫歯になりやすいです。また、永久歯に比べると歯の根っこも浅く、どんなに丁寧に歯磨きなどのケアを行っていても一生使い続けることは難しいです。
先天性欠如の治療方法
欠如していることを変えることは残念ながらできませんので、乳歯が抜けた後に人工歯で補うことや乳歯が抜けた後の隙間を埋める方法で治療します。
乳歯が抜ける前であっても、先天性欠如のために歯並びや噛み合せに悪影響が出る場合があります。その場合は乳歯が抜けるのを待たずに治療する必要があるため、先天性欠如が判明した方は定期的にかかりつけ医に診てもらいましょう。
先天性欠如は歯のレントゲンを撮影するとわかりますので、心配な方はお気軽にお声掛けください。
乳歯が抜けた後、人工歯で補う治療方法
部分入れ歯
抜けてしまった乳歯の両隣の歯に留め具をかけて人工歯を固定します。取り外し可能ですが、毎日洗う必要があります。
ブリッジ
抜けてしまった乳歯と両隣の歯を連結した人工歯にする方法です。両隣の歯を削り、その上から人工歯を被せることで固定します。取り外し不可能ですが、ご自分の歯と同様に歯磨きができます。
インプラント
抜けてしまった乳歯のスペースに人工の歯の根っこを埋め込み、その上に人工歯を装着します。人工の歯の根っこが顎の骨と癒着することで固定されます。見た目や噛みごたえは天然歯と同じですが、外科的手術が必要で治療完了までに1年以上かかります。
乳歯が抜けた後の隙間を埋める治療方法
矯正歯科
乳歯が抜けてしまった後の隙間を人工歯で補わず、矯正をすることで隙間を埋める方法です。他の永久歯の歯並びがガタガタになっていたり、出っ歯になっている場合、乳歯が抜けた隙間を利用して歯並びをきれいにすることもできます。